一般の方へ

◼️構造設計ってなんだろう?

 

みなさん、構造設計ってご存知でしょうか。

 

 

構造物が壊れないようにするにはどうしたら良いのか。
日々解析したり、設計図面を作ったりするのが、

僕たち構造設計者の仕事です。

 

壊れないようにするだけで仕事になるなんて簡単そうじゃないか。

 

そう思われるかもしれませんね。
でも毎日構造設計ばかりしている僕たちから言わせると、結構難しいです。

 

なぜ?

 

なぜなら構造設計って、ただ壊れなくすれば良いだけじゃないからです。

 

??

 

構造物を作りたい人は、あの場所に作りたい。こうゆう素材にして欲しい。
こんな形が好きなんです。あんな風な使い方します。
いついつ迄に完成したい。予算はこんな感じです。
せっかく作るのですから当たり前に色々リクエストします。

 

それらを満足させた上で、壊れないように僕たちは構造設計します。

それは決して簡単ではありません。

 

ましてや、僕たちが構造設計しているフィールドは世界の中でも特に地震が多い日本です。
いつどの場所にどんな地震が起きるのか、偉い学者先生だってよくわからないくらいです。
でもやっぱり壊れたくないんです。

 

どうしたら良いんだ!って思うことも時々あります。

 

 

例えば日本には建築基準法という法律があります。
建築物の性能の最低基準を定めた法律です。
その目安に満たないものを建てれば法律違反です。


わりと分かりやすい気がします。

 

でも、法律は最低基準なので大地震がくれば壊れてしまいます。
壊れるけど人が逃げ出す時間くらいの間は倒壊しないで持ちこたえて欲しい。
というレベルの基準です。

 

それに法律違反ぎりぎりのレベルの壊れにくさで満足する人だけではありません。
絶対壊れないことを望む人もいれば、そもそも揺れないで欲しい人もいます。

 

さてどうしたら良いのでしょうか。

 

そんな答えがあるのかすら分からない問題に対して、
出来る限りのベストアンサーを設計図面に落とし込む仕事。
それが構造設計です。

 

他にも色々ありますが僕たちの仕事の根っこはそんな感じです。

 

 

建築家やデザイナーに隠れて地味な存在の僕たちですが、
地味に悩ましく、地味に面白く、そして、
本当にやりがいのある仕事が構造設計です。

 

 

そんな構造設計のプロフェッショナルが集まったのが、

構造設計コミュニティーズです。

 


あれ?

 

ちょっとだけ、かっこ良いかもしれません。

 

 

 

◼️構造設計コミュニティーズって必要なの?

 

そんな (ちょっとだけカッコいいかもしれない)
僕たち構造設計コミュニティーズですが、


そもそも何で構造設計者の相互ネットワークが必要なのでしょうか。

 

専門家がそれぞれ独自に構造設計すればそれでいいんじゃないの?

 

そんな声が聞こえてきそうです。

 

それじゃだめなんです。

 

構造設計コミュニティーズはこれからの日本に絶対に必要です。

 

気心知れた専門家で集まってパーティーでも開きたいだけなんじゃないの?

 

パーティーを開くのはやぶさかではありませんが、
そのために収益ゼロのボランティア団体をつくるほど構造設計者はヒマじゃないです。
僕たち結構頑張って働いています。

 

では何で必要なのか?やっぱり分からないな。

ヒマじゃないって言ってるし。

 

 

皆さんは「全国で建設される建物の構造設計の半数以上が、
構造設計一級建築士が1~2名しかいない小規模構造設計事務所

による設計であること」をご存知でしょうか?

 

多くの構造設計事務所は専門特化したプロフェッショナルであるが故に
少数精鋭のチームであることが多いのです。

 

 

例えば、地方の医師が急病で倒れてしまったら
ピンチヒッターの医師が派遣される仕組みがあります。(※

 

ですが僕たち構造設計の業界にそのようなシステムは一切存在しません。

 

つまり、設計の途中で構造設計者が急病で倒れ入院したり、
職場が自然災害に巻き込まれてしまっただけで、
設計が長期間止まってしまうのです。

 

 

それなら、すべての設計事務所は大企業に限定してしまえば良いのかもしれませんが、
それは全国のレストランを全て残らずチェーン店だけにしてしまおう

というくらいの極論だと思います。

 

子供の時の楽しみだった駅前の馴染みの洋食屋さんとも、
とても嬉しいことがあった時の為のとっておきのあの鰻屋さんとも
永遠にお別れです。

 

 

つまり、いざというときに構造設計自体にフォローが存在しない現状は
我々構造設計者自身が抱える不安でもあるのですが、
そんなリスクを回避できる仕組みが構造設計コミュニティーズなのです。

 

 

なんでそんなことが出来るのか?

 

それは、全国各地で日々責任ある立場で構造設計を行っている
構造設計一級建築士が日々リアルタイムで情報共有をし合うネットワークだからです。

 

 

日本全土が一度に壊滅してしまうような災害でも起きなければ
コミュニティーズ全体の設計業務が止まることはありません。

 

そして、メンバー全員が構造設計一級建築士の有資格者であるからこそ、
もしもの時に、構造設計そのものをサポートし合うことが出来るのです。

 

極少数しか存在しないスーパーゼネコンや組織設計事務所を除いて、
構造設計コミュニティーズより多くの構造設計一級建築士を揃えている企業はありません。

 

また、構造設計コミュニティーズは、全国各地の別々の設計事務所のネットワークなので、
全て同時に倒産する心配もゼロと言い切って良いでしょう。

 

 

僕たち構造設計者自体の個々の力はさほど大きくありませんが、
共通認識をもって相互ネットワークで繋がりあうことだけで、
大きな安心を実現できるのです。

 


本来であれば国でそのような仕組みを作って欲しいのですが
今のところそういった動きはありません。

 

構造設計コミュニティーズでは「無いなら自分たちで作ってしまおう!」という
ちょっとカッコいいかもしれないメンバーが多く集まってくれました。


国が同様の仕組みを整備してくれる迄の繋ぎの役割でしかないかもしれませんが、
もし繋ぐことができたなら、
その時は、ちょっとカッコいいかもしれない僕たちのささやかな目的は
達成されたことになると思います。

 

 

構造設計コミュニティーズの試みを暖かく見守って頂ければ幸いです。

 

 

構造設計コミュニティーズ一同

 

 

 

(※ 2019.5.15追記

医療の世界でも構造コミュのようなことを
はじめている人たちがいるようです。

 

itベンチャーと組んで医療用のジョインというアプリを作って
同業者の相互補助グループを作っているようです。

 

現役のプロ同士がネットでリアルタイムで繋がり
いざという時に助け合う。
業種が違うだけでやりたいことは全く一緒です。

 

専門外の急患への対応など
切迫した状況が日常である彼らにとって
とても良いネットワークのはず。